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2025/05/28 03:48 |
雪組『ロミオとジュリエット』その1
1/8(土)と1/9(日)のそれぞれ15時公演を見てきました。

キムくん大劇場トップお披露目おめでとう!
白い大羽根が似合って、立派なトップさんでした。パレードでぴょこんぴょこん元気にお辞儀をする姿に、もしかしてナイアガラ逆流やっちゃうんじゃ、と期待したり(笑)。

以下感想です。たたみます。
どうしても星版との比較になってしまうのはご容赦を。基本的に同じことをやっているはずなのに別物になっていてどちらも面白かった。演者の個性と組カラーの違いってすごく面白いなと。
まずは、全体感想と二人のジュリエットについて。




***



・雪組の『ロミオとジュリエット』
星と比べて主要人物たちの知性とか理性とか常識とかのーみそとかが多いので物語の深刻さが三倍くらいに増していた、という初見の印象。
じゃ星はのーみそ無かったのかと言われると何ですが。例えばロミオが神父様にジュリエットとの結婚を願い出るとき、柚希ロミオは「ジュリエットと結婚したい!」の思いだけで動いている。どこのジュリエットだ、と聞かれてキャピュレットの娘と答えるとき、柚希ロミオはただ単に事実を伝えている。
でも同じ場面、音月ロミオは言い淀み、苦悩の表情を浮かべている。彼は自分の選択が両家にもたらす波紋を承知し、その上で決断している。
ティボルトもそう。「本当の俺じゃない。俺が何をしても大人たちが仕向けたんだ」と歌う凰稀ティボルトは本気でそう思ってだだをこねている中二病男子で、しょうがないなあ、と苦笑させられる可愛らしさがあった。でも緒月ティボルトは同じ歌詞を歌っても、それでもどうしようもないことを理解している。彼はもう子供ではなく大人に片足突っ込んで、キャピュレットの跡取りとしてモンタギューとの戦いを続ける運命を受け入れている。自らの本意ではなくても。(そこまでわかって(諦めて)いて、自分を救えるのは愛するジュリエットだけ、と歌うところがまた切ないのですが)
他のキャストも。早霧マーキューシオはキレやすいヤンキー少年だけれども紅マーキューシオほど騒がしくもKYなお調子者でもないし、未涼ベンヴォーリオはクールでビターで基本的に冷静、涼ベンヴォーリオほどの甘さはない。更に彩那パリスも、「あの気取り屋の間抜け」で笑いが起きたきらっきらのお馬鹿な天寿パリスとは別物で現実の範疇。
キャスト個人だけでなく、真面目で堅実で手堅い雪組の組カラーがそうさせるんだろうなあと。星と基本的に同じものをやっているはずなのに全然別物になるあたり、実に面白いと思う。
これからも変化充実していくと思うので東宝でも見届けたいです。

・大劇場版の『ロミオとジュリエット』
大劇場って大きいんだな、と初見時何度も思った。舞台が広い。そして人が多い。オペラで一カ所見ていてふっと外すと、うわ人がいっぱいいる!と驚く。単に両家の人数が増えているのかとも思うし、兵士とか舞踏会の使用人とか役割から増えているものもある。
そして。その、人の多さも、社会の重さ、枷のようなものを強調してしまっているんじゃないかと思った。
大公が兵士たちを伴って現れるのも、下級生の役をつけるという目的もあるのだろうけれど、同時にヴェローナの街の荒廃を裏書きしているように思える。兵を伴ってでないと両家の争いの場に割って入れないほど危険、という(星版では出演者の少なさから、小姓がついているだけだった)。そこまで端的でなくても群衆が多いことにより、個人(ロミオたち若者たち)と社会の力関係で、社会に飲み込まれそうな危機感を覚える。1幕のナンバー「世界の王」にさえ閉塞感の影を感じるのは、私の思い込み故かもしれないけれど。

・二人のジュリエット
初見は舞羽ジュリエット。オネーギンで素晴らしいタチヤーナを見せたみみちゃんが更に可愛くなってる!きらきらしている!と感動。
翌日は夢華ジュリエット。や、前評判では歌の巧さばかりが耳に入っていたけれど、何だふつーに可愛いじゃないか、と。
夢華嬢に対しては大人っぽいイメージを持っていたけれど、それは多分2回連続正塚芝居で見たからなんだろうな。やはり下級生、若い。活き活きして、体当たりの舞台。その若さがジュリエットの若さにシンクロし、本当に若い女の子、ある意味幼くもあるジュリエットになっていた。この子なら初めての恋が人生の全てで、真っ直ぐに突き進んでああなるのも納得。その若さ幼さ、まっすぐな生命力が可愛く、魅力的に映った。
もちろん、一目見てわあ可愛い!という魅力は舞羽ジュリエットの流石の、そして毎公演成長している娘役力の素晴らしさ。そして改めて比べると、舞羽ジュリエットには可愛いだけでなく知性と意志がきらめいていたなあと。

ジュリエットがダブルキャスト、と言うかそもそもトップ娘役がいないのはどうかと思う。本当にどうかと思うけれど、二人のジュリエットはそれぞれに個性が違って魅力があって、両方見て良かったと思うし、二人ともまた見たいです。
……だからフィナーレにはデュエットダンスつけてほしいなあ。その日のジュリエットで日替わりでいいから。

(余談ながら、ダブルキャストのヒロインに対し「流石の娘役力ヒロイン力が素晴らしい」「思いがストレートに伝わる体当たりのお芝居が好きだ」と思ったのは摩天楼狂詩曲のはることりりかの時と同様なのです。学年差のある娘役のダブルキャストだと基本荘なるのかなあと思ったり)


次は愛と死の話をしたいです(願望)。

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2011/01/11 23:05 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪

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