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2025/05/31 17:16 |
星組全国ツアー『激情/BOLERO』@市川(『激情』のこと)
4月24日(土)初日、12時16時ダブルヘッダーしてきました。

『激情』

面白かったです。
初演を見たときあまり面白かった印象がないのですが、きっとエスカミリオばかり見ていたから面白さがわからなかったんだなと。ちゃんと、ホセとメリメを見ないと。

ネタばれもあるので畳みます。


***


柚希ドン・ホセ。登場するなり、格好いいと素で感心。
ただ、カルメンの誘惑にあっさり陥落して人生を踏み外す初心な青年には見えませんでした(苦笑)。それだけ男役として完成しているということで、いいことなんだけれど。情熱のままに兵舎に帰らないと決意する中盤、ジプシー密輸団で頭角を現す後半は板についてニンに合っていたのではないかと。

夢咲カルメン。うーん、ねねちゃんはカルメンキャラではないんだな、と思ってしまいました。強いけど、明るくて、可愛くて、健康的。最初の誘惑シーンが可愛いけど色気が無くてあれれ、と。いや可愛いけど。(サンドリーヌははまり役だったなあ)
生命力と自由に生きる強さはあるので、後半ははまってきて魅力的だった。

と言う訳で、初心で生真面目に見えない余裕ありそうなホセと色気のない可愛いカルメンで、最初のカルメンが誘惑してホセが逃がす場面が違和感と言うか、なんでそうなるの?と思ってしまいました。
まだ初日。これからこなれてきて変わってくるのかそれとも持ち味の問題なのでこのままなのか、今後見ていきたいと思います。

涼メリメ/ガルシア。素敵だった。超素敵だった。冒頭のメリメのモノローグと言うか語りで既に陥落。
第一印象で言うと、ノープルで文学青年で紳士なメリメと、ブラックでダーティなヤバい男ガルシア。ガルシアは一見「恐れられているボス」にしては優男すぎるかとも思いましたが、黒髪ロン毛に眼帯に豹柄(に見えた)シャツ、舌なめずりしながら(に見えた)ナイフを振り回す姿に震撼して余りある。短い出番だけれど、この男の物語も見てみたいと思わせられた。
しかし複雑なのはメリメ。『激情』は、メリメが出会い心惹かれたホセという男の物語であり、その男を見てメリメが想像した物語でもある。どこまでが事実でどこまでが虚構なのか。メリメが「今」話しかけている相手は実在のホセなのか彼の創作の登場人物としてのホセなのか。「今」語っているメリメは語り部なのか、物語の創造主なのか、ホセに惹かれる一人の男なのか。その時その時で違っているように見えて、とても興味深い。
メリメは一見穏やかな紳士然としているが、舞台で表現されるホセの狂気は実は元々メリメのものなのかもしけない。
色々と考えさせられることは作品自体が持っている面白さであるとともに、演じている涼さんの力なのだと思う。

妃咲ミカエラ。すごく良かった。きれいで品があって可愛らしくつつましく控え目、田舎育ちの堅実な心優しい娘であり憲兵の追及をはねのける強さもある。そしてその清らかさに一抹の鬱陶しさを感じさせるあたりも実にはまっていた。せあらはこういう白い(見た目も中身も)お嬢さんも上手くできる娘役芸を持っているので、今後も活躍してくれるといいなあ。

夢乃エスカミリオ。格好いい。格好いいけどいちいちこそばゆいなあ(笑)。エスカミリオという役自体そういうものなんだろうけど。格好いいだけの役で内面描写は全く無く逆に演りづらかったかもしれない。
ダンス、闘牛シーンは見蕩れました。格好良かった。
連れているピカドールたち、汐月十碧も長身で三人並ぶと眼福のスタイル。つか私シフト?(違)ただ、歌はこれからに期待、とちょっと思いました。キミならできる、がんばれー(笑)(でもちょっと真顔)。

あと、全ては見切れていないし全てに触れることもできないのですが、ちょっとずつ。

ジプシーたち。真風が密輸団のサブリーダー、兄貴分的役どころで超頑張ってました。水輝に兄貴と呼ばれるのにはちょっとびっくりしましたが、その水輝も下っ端と言うか若いキャラを楽しそうにやってた(笑)。マイケルがまた子役でいいのかと思いつつ、でもやはり彼の子役は超絶上手いなと(真風に「大きい図体して」と言われるのには笑いましたすみません)。組長がいると締まるなあとその存在感に安心。
ジプシーのナンバー(見下されても誇り高く自由に生きる、的な歌)が迫力ですごく良くて、虐げられても力強く生きる民衆を演らせるとさすが星組は生き生きとするなあ、と思いました(笑)。

兵隊たち。みきちぐのスニガ中尉はちょっといやらしいとこも流石の巧さ。りまちゃんのモラレスも軍人の良くも悪くも権威主義的なとこがよく出ていたなあと。そして二人ともオープニングのダンスがキレていること、素敵。

市民。白妙なっちゃんのコンサバで強気でつんとした感じが上手い。夏樹れい君も真っ当な市民としてジプシーを見下しているのがわかりやすく伝わってきたし、歌も良かった。

謝珠栄演出は格好いいし全般的によいと思うのですが、ただ、コロスのダンスによる感情表現を多用しすぎかと思いました。センターでホセやカルメン自身が表現しているなら、それだけで十分、それだけ見たい場面もあったなあと。

で、ラストシーンはホセの幻覚ですよね?(自由に生きる人生を暴力で断ち切られたカルメンが微笑んで待っているはずがない、と思う)

とりあえずこの辺で。星全ツ、次は神奈川で観劇予定です。

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2010/04/24 23:32 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・星

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