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2025/05/29 06:16 |
雪組『情熱のバルセロナ/RIO DE BRAVO!!』その1
11/15(日)市川ダブルしてきました。楽しかった。
ネタばれは避けた方がいいんだろうか。一応たたみます。




芝居『情熱のバルセロナ』。

最初は、登場人物(特に男たち)の恋愛至上主義っぷりにくらくらしました。ロザリアに会いたい一心で後先考えない行動に出る主人公フランシスコ(水さん)は勿論として、リンダと二人で生きられるなら宰相の地位に何の未練もないルイス伯爵(ユミコ氏)、ロザリアの傍にいるのが辛いからと宮廷の要職を辞するセルバンテス伯爵(キング)。
でも、ロマン派の文学とか古き佳き宝塚ってこういうものだよなと。そういう世界だとわかった上で見た2回目の方が、各登場人物の心理の流れや細部を追えてより面白かった。初見時は、初演を見ていないし原作も未読なのでハマコ大公の鈴がフェイクではないかとドキドキしてしまいました(苦笑)(トスカの見過ぎ)。フランシスコが生きて出てきてほっとした。

そして雪娘の人材豊富さとその適正活用の素晴らしさに心震えました。
何と言ってもリンダ・メレンデス公爵夫人=晴華みどりの素晴らしいこと! 美貌、才気、貫禄と押し出しの良さ、気品。そしてその声と歌、確かな実力に裏付けられた演技、的確な感情表現。
フランシスコを救うため大公のもとに赴くことを決意する姿が崇高なまでに美しく輝いていたこと。そしてしかしその後見せる追い詰められた心の揺れ。望みが達せられるとともに代償を支払わねばならない覚悟ににじませた虚ろさ。それでも最後に残る愛の矜持。彼女の一挙手一投足から目が離せない。なんという女性だろうかと。
対抗するパボーン侯爵夫人=涼花リサのこちらも美貌と才気、そして毒。暗転間際の薄笑いとか背筋が凍りますよ本当に。ロシアンではあんなに可愛かったのに!(笑)。
ファニータ=舞咲りんの色濃い酒場の女っぷり、モニカ=早花まこの妹キャラ、マチルダ=神麗華のしっかり者の侍女、エリザベス大公妃=花帆杏奈嬢の昼ドラ好き奥様キャラ、そしてロジータ=麻樹ゆめみお姉様の歌。いやもう雪娘すごいなあと。フラメンコダンサー(沙月愛奈ちゃんですよね?)もすごい素敵だった。格好良かった。

男役も、前述のルイス伯はリンダを見守る懐の深さで素敵だし、セルバンテス伯の身を引くいい人っぷりも私のツボでした(先入観から貴族のぼんぼんかと思っていたら叩き上げの実務家だった。キングなのに!)。
ラファエル=緒月もワイルドで男らしいいい男だし、作中一度も出会わないリンダへの片思いぶりもツボです。そして『ロシアン』に続いてのラスボス・ハマコの存在感。ふざけて色恋ばかりにうつつを抜かしているように見えるけれど、リンダとの直接対決で見せる底知れない怖さ。
他の面々にも隅々までそれぞれ見せ場や台詞があって楽しかったです。個人的には人のいい看守ルピーノ君が印象に残りました(後の展開で「彼も首になっちゃうのか」と可哀想になった)。朝風れい君ですね。
この機会に雪組さんを覚えようとプログラム買いました。

フランシスコは、水さんに対する先入観のせいか「愛に見境なく暴走する青年」に違和感がありましたが(もうちょっと分別ありそうに見える)、二度目にそれはそういうものと割り切って見ると、ロザリアに対する思いの純粋さ、愛情表現の濃やかさに素直に酔えます。
対するロザリア=みなこもいじらしくて可憐で可愛くてねえ。こちらも最初その初心すぎる様に若干違和感があったのだけれど、進むにつれてどんどん可愛くて可哀想で感情移入してしまった。
最後フランシスコが別れを決意する急転直下には多少驚きましたが(だってその前の出番では「君を一目見ることができたから死んでもいい」って晴れやかな顔してたし)、多分この間にリンダの自己犠牲や自分のために為された様々なことを思い知ったのかと。
青春の終わりに別れゆくフランシスコとロザリアの辛さに感情移入できるのは、演者二人の力だと思います。彼らは、恋という運命に捕まってしまったのだと。そしてそれは、他の人々も同様なのだと。そう思えた幕切れでした。
(やっぱりこういう古いものは演れる人を選ぶと思うのですがどうだろう。現雪組はそれができる面子だと思いました)(星全ツは『再会』で正解だったかと)

このフランシスコの若さゆえ愛ゆえの暴走を現代語訳(違)すると『カラマーゾフ』ミーチャの衝動になったりするのかな、とも思ったりしました。うがちすぎか(苦笑)。


ショー『RIO DE BRAVO!!』。

楽しかった超楽しかった。
やっぱり全ツのショーはいいですね! 出番増えた人たちの張り切りっぷりが眩しい。個人的に一番「すげえ」と思ったのは快盗ガロの五峰さんポジに入ったヒメのお色気です(笑)。
みなこちゃんが立場に慣れてきたのか大劇東宝よりもイキイキしているように見えたのがみなこスキーとしては嬉しかった。一番好きな衣装は中詰前半で一瞬だけ着ている白ドレスに白のショートブーツですが、新場面BLUE MOON BLUEの赤い花もそのスタイルに映えて素晴らしかったなあと。いやそのBMBの挿入は唐突感ありの上にそのままパピヨンになだれ込んだ瞬間ぽかんとしましたが(苦笑)。
でもパピヨンの最後に水みな二人きりのくだりがあって、そこはしみじみとしてしまった。場面転換の都合で増えたのかもしれないけど、あれは良かった。

キムの出番を緒月彩名大湖で分け合ってました。快盗ガロのスカジャン青年と中詰の赤の衣装のとこがオヅキ、オープニングの銀橋(ないけど)ソロダンスとパピヨンのソロとパレードのキムポジ(衣装同じ)がひろみ、ピンクの機長さんがせしる。
オヅキは全然キャラ違いで面白かった。水さんとのダンスバトルはキムのときと全然ニュアンスが違う。そして赤のオラオラ系ソングは太い声がはまっててすごい格好良かった!その後のゴレンジャーにも入ってるし。
ひろみちゃんのソロダンスは可愛かったです。飛んだり跳ねたりしている姿が超キュート。(キムは生命力!という感じだったんだけども)

せしるの話は長くなるので別項で(笑)。


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2009/11/16 23:36 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪

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