今日は横浜ヘアーショー@みなとみらい内のイベント「立樹遥トークショー」に行ってきました。しぃちゃん全然変わってなかった。
が、本日欄では『コインブラ物語』の話をします。しぃちゃんも日曜日に見に来ていたそうですね。
10/31(土)11時初見。
***
楽しかったー!
作品への期待値が限りなく低かったのと、組子がわいわいやってるだけで幸せになれる痛い組担なのが勝因と思われます(笑)。実際、最初の方の王宮で勢揃いの場面でうわ懐かしいなあみんなと思って我ながら苦笑。
物語としては、宝塚にありがちなラブストーリー。王子とそれほど身分の高くない娘が出会って恋に落ちて、でも王子は政略結婚させられて、でも結婚相手の姫にも思う相手がいたのをいいことに仮面夫婦していたらそれをよく思わない父王が娘を亡き者にしようとして、云々。大航海時代のスペインが舞台で衣装は豪華で目に快いし(エルアルコン再びが多数)たまにはこういう古いタイプの王道な恋愛ものもいいんじゃないの、と。
まあ途中いくつか顎が外れる展開がありますし(盗賊団「黒い風」の顛末とか)、台詞の言葉の使い方が薄っぺらいので国によって個人の恋愛が引き裂かれる悲劇を描いているはずなのにその国の重みがちっとも響いてこなかったりして、その辺も含めて古いなあ、中学生頃の私(文芸部所属女子)が乏しい知識を総動員して頭でっかちに書きそうな話だなあと(失礼)。同じ物語でも例えば大野君が演出したら重厚な悲劇になったかもしれない。でもまあその辺は割り切って。
主役の王子ペドロと王妃の侍女イネスの他に、隣国の姫コンスタンサと幼馴染の近衛隊長ピメンタ、水夫コスタと酒場の娘イザベラ、没落した名家の出で盗賊の娘ミランダと盗賊仲間で元は彼女の家に仕える身だったフェルナンド、と複数の恋人たちが出てくるので、きっと主人公カップルを中心に様々な愛の形を描く、という意図なんだろうなと。それぞれのエピソードが孤立していて全体としてあまり成功しているとは言えないとも思うのですが、でもそれぞれの物語は胸を打つものがあり、皆に見せ場があってそれはいいじゃないかと。主役よりも断片的な描写の脇役カップルの方が生き生きと魅力的に描かれているのはご愛嬌。
個人的には酒井澄夫で星組と言えば『花舞う長安』を思い出すのですが、あれは1時間半で玄宗と楊貴妃の物語をだったけれど、例えばそこに安禄山の野望に協力して暗躍する女がいたり、皇甫惟明を慕って彼の死に涙する姫がいたり、楊国忠の妻との別れの場面があったり(笑)したらこんな風になったのかなあとちょっと思いました。
色々ケチつけているようですが何だかんだ言って楽しみました。楽しんだ者勝ち(笑)。みんな熱演で役にはまっていてそれぞれ良かったし(個人的にはともみんがすごくいいともみんで良かった)。普段台詞の無いような子たちも喋っていて見ていて嬉しかったし。
個別の話はまた別項で。メインストーリーはステレオタイプなので脇筋やキャラを語った方が絶対楽しかったことが伝わる話になると思う(笑)。
とりあえず、もしこれから見に行く方が読んでいたら2幕冒頭の修道女に混じっている汐月しゅう君を是非チェックしてください(笑)。ネタ(エルアルコンの愛人のように)でなく大真面目にやっているのがたまらなく可笑しい(いや褒めてます可笑しくてこそ男役)。あとフィナーレですずみんの後ろで踊る4人口美城碧海美弥汐月、特にやる気全開フルスロットルにキザるみやるり。
と言いつつ、まりもの話だけはここでしておきます。
ネタばれになるので一応畳みます。
が、本日欄では『コインブラ物語』の話をします。しぃちゃんも日曜日に見に来ていたそうですね。
10/31(土)11時初見。
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楽しかったー!
作品への期待値が限りなく低かったのと、組子がわいわいやってるだけで幸せになれる痛い組担なのが勝因と思われます(笑)。実際、最初の方の王宮で勢揃いの場面でうわ懐かしいなあみんなと思って我ながら苦笑。
物語としては、宝塚にありがちなラブストーリー。王子とそれほど身分の高くない娘が出会って恋に落ちて、でも王子は政略結婚させられて、でも結婚相手の姫にも思う相手がいたのをいいことに仮面夫婦していたらそれをよく思わない父王が娘を亡き者にしようとして、云々。大航海時代のスペインが舞台で衣装は豪華で目に快いし(エルアルコン再びが多数)たまにはこういう古いタイプの王道な恋愛ものもいいんじゃないの、と。
まあ途中いくつか顎が外れる展開がありますし(盗賊団「黒い風」の顛末とか)、台詞の言葉の使い方が薄っぺらいので国によって個人の恋愛が引き裂かれる悲劇を描いているはずなのにその国の重みがちっとも響いてこなかったりして、その辺も含めて古いなあ、中学生頃の私(文芸部所属女子)が乏しい知識を総動員して頭でっかちに書きそうな話だなあと(失礼)。同じ物語でも例えば大野君が演出したら重厚な悲劇になったかもしれない。でもまあその辺は割り切って。
主役の王子ペドロと王妃の侍女イネスの他に、隣国の姫コンスタンサと幼馴染の近衛隊長ピメンタ、水夫コスタと酒場の娘イザベラ、没落した名家の出で盗賊の娘ミランダと盗賊仲間で元は彼女の家に仕える身だったフェルナンド、と複数の恋人たちが出てくるので、きっと主人公カップルを中心に様々な愛の形を描く、という意図なんだろうなと。それぞれのエピソードが孤立していて全体としてあまり成功しているとは言えないとも思うのですが、でもそれぞれの物語は胸を打つものがあり、皆に見せ場があってそれはいいじゃないかと。主役よりも断片的な描写の脇役カップルの方が生き生きと魅力的に描かれているのはご愛嬌。
個人的には酒井澄夫で星組と言えば『花舞う長安』を思い出すのですが、あれは1時間半で玄宗と楊貴妃の物語をだったけれど、例えばそこに安禄山の野望に協力して暗躍する女がいたり、皇甫惟明を慕って彼の死に涙する姫がいたり、楊国忠の妻との別れの場面があったり(笑)したらこんな風になったのかなあとちょっと思いました。
色々ケチつけているようですが何だかんだ言って楽しみました。楽しんだ者勝ち(笑)。みんな熱演で役にはまっていてそれぞれ良かったし(個人的にはともみんがすごくいいともみんで良かった)。普段台詞の無いような子たちも喋っていて見ていて嬉しかったし。
個別の話はまた別項で。メインストーリーはステレオタイプなので脇筋やキャラを語った方が絶対楽しかったことが伝わる話になると思う(笑)。
とりあえず、もしこれから見に行く方が読んでいたら2幕冒頭の修道女に混じっている汐月しゅう君を是非チェックしてください(笑)。ネタ(エルアルコンの愛人のように)でなく大真面目にやっているのがたまらなく可笑しい(いや褒めてます可笑しくてこそ男役)。あとフィナーレですずみんの後ろで踊る4人口美城碧海美弥汐月、特にやる気全開フルスロットルにキザるみやるり。
と言いつつ、まりもの話だけはここでしておきます。
ネタばれになるので一応畳みます。
良かった、すごく良かった。と、思う。
ヒロインのイネスはヒロインの典型と言うか見本みたいな役で、一途にペドロ王子を愛し慕う、健気で美しく可憐な娘。それがちゃんとそう見えたのがまず良かったなあと。
しかし、まりもの真骨頂が発揮されたのはラストだと思っています。
ペドロの正妻コンスタンサは去り、政略結婚を命じた父王は退位。晴れてイネスを妻に迎えると喜ぶペドロに、イネスは身を引く決意を告げる。自分のために不幸になった人がいる。その犠牲の上に自分がペドロの妃になったら、人々は自分のみならずペドロをも非難するかもしれない。そんなことはできない、と。
その、愛する人と別れる道を選ぶ強さ。色々と慮ってしまい自分の幸福を選ぶことができない弱さ。一人で思いつめてしまう寂しさと、思い込んだら決して意思を曲げない頑固さ。それらが全て、私の思う、私の好きな蒼乃夕妃だった。それまで前述のようにどこか引いて斜めに見ていたのに、ここに至って、イネスの決意に泣きそうになった。
ただの、悲劇のヒロインの典型ではなく、血の通った意志のある娘。
2役の盗賊の娘ミランダは、イネスとの対比もあって奔放で生命力に溢れ生き生きとしていて、でも元は名家の出を感じさせる品や清潔感もあって、そしてフェルナンドの前では恋する乙女。彼にドレス姿を見せたくて走ってくる姿の可愛らしいこと。その鮮やかに翻るプラチナブロンドの光彩そのままに、きらきらと輝いていた。
同じ人が同じドレスを着ているのに一目で別人とわかる演じ分けも素晴らしかったです。声の出し方歌い方も全部違うのな。
作品的に難はあれど(しつこい)、まりもの星組最後の役に相応しい、集大成的な役になったなと。見送るのは寂しいけどね。(『Hallelujah GO! GO!』のときのウメにも似たようなことを思ったなあ)
あと、トド様相手に清楚で可憐な姫に見えたことに安堵しております。月に行ってもとりあえず大丈夫、かな……。
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