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2025/05/29 06:30 |
雪組『雪景色』@日本青年館その1
12/6と8に見ました。役変わりは以下のとおり。
12/6(日)15:00がBパターン、12/8(火)18:30がAパターン。

第一幕『愛ふたつ』
・小四郎(死んだと誤解され妻を寝取られ踏んだり蹴ったりと思いきや最後には逆玉の輿な小間物屋)A:早霧、B:沙央
・三五郎(小四郎の死後かねてから憧れていた彼の妻お咲と夫婦になれてラッキー!な結果として間男)A:沙央、B:早霧
第二幕『花かんざし』
・伊佐次(店の金を盗んで江戸所払いとなった錺職人、だが実は…)A:沙央、B:早霧
・吉蔵(伊佐次の幼馴染の岡っ引き、伊佐次が下手人ではないと思っている)A:早霧、B:沙央
第三幕『夢のなごり』
・三郎忠嗣(平家の落武者、四郎の兄。源氏の襲撃に一門の者たちとともに自決することとなる)A:沙央、B:早霧
・四郎信嗣(平家の落武者、三郎の弟。源氏の襲撃に若君と姫を守って逃げ延びることとなる)A:早霧、B:沙央

主にチギコマ役変わりの感想を中心に。語りたくなりますよねこれ。

第一幕『愛ふたつ』

初見は落語的素養のない現代人しかも関東人として見事に置いて行かれました(笑)。位牌持って泣いてる場面をお笑いにしていいの?とか客に酒も飲ませないで逆に相手を笑い物にするって性格悪いじゃん?とか帰ってきたら自分は死んだことにされて愛しい女房も他人の妻なんて小四郎可哀そうじゃん!とかいちいち引っかかって笑いに乗り遅れた。多分、落語で一人の人が喋っている分には気にならないんじゃないかと思うんですが、舞台で笑う人と笑われる人がいるから駄目なのかもしれません。
まあこれは性分なので仕方ない。

という見地で見れば、Aの小四郎チギ・三五郎コマの方が私的には見やすかったです。小四郎がコマだと、帰ってきて事の次第を知って嘆くところが過剰にシリアスで小四郎に同情してしまったんですよね。チギの方がファンタジー的にあっけらかんと受け止められた。2回目で免疫できていたせいもあるかもしれませんが。

それだけでなく、全体的にAパターンの方が個人的には落ち着くなあと。Bを見た後は逆かと予想していたので自分で驚きました。

初見のB、まず、最初の山中の場面、ほぼ一人芝居状態の小四郎コマが上手くて面白くて、これはチギは大変そうだなあと思っていました。ところがAを見たらチギの全力投球体当たり芝居がすごい面白くて面白くて!むしろBより笑えたという。
逆に三五郎の、米やんに酒を飲ませてやらない場面。前述のとおり笑えはしないものの、Bのチギは天然だから仕方ないよねということでこの程度で済んでるんだろうな、コマが上手く演っちゃったらもっと嫌な感じになるんじゃないかな、と思っていたのです。ところがコマはその辺の塩梅も上手くて、その上手さに乗せられて逆につるっと見られてしまったという。いやこれも2回目で免疫できていたせいもあるかもしれませんが。
一番両者の違いに驚いたのは三五郎の登場。お咲さんへの愛を歌い上げるあれです。Aのコマを見て歌いだした瞬間に驚愕。三五郎があほの子じゃない……!
や、Bのチギ三五郎は全力投球大爆走コミックソングな歌も含めてあほの子で、それが可愛かったじゃないですか! 葬式に手伝いに来たと言っても多分何の役にも立ってなくて、でも一生懸命お咲さんのことを心配してくれて、それがお咲さんの心を動かしたんだろうなって感じだったじゃないですか!
ところがコマはそうじゃなかった。勘違い系だけど一応いい男じゃね?少なくともガストン@美女と野獣並みには二枚目設定のキャラじゃね?と愕然。歌もムード歌謡調でこぶし回してましたが上手くて二の線の範疇だし。つかこんなコマに「あの人の笑顔を取り戻したい」とか歌われたら惚れそうになるじゃないですか!(落ち着け)

と言う訳で両方楽しみつつ第一幕に関しては小四郎チギ三五郎コマ押しというところなのですが、唯一さゆちゃんとの並びに関してはコマの方が似合っていた気もしています。(みみちゃんとはどっちも似合う)


第二幕『花かんざし』

谷先生の好きそうなお涙頂戴芝居にまんまと泣かされちまったぜ、というのが捻くれ者の観劇後第一声だったりしました。いやそれは本音なんだけれども、こういうべったべたな人情話を真正面から真剣にやってしまう谷先生の作風も宝塚歌劇も好きだと思う、それも本音。人の役に立つというのはいいことだ、みんなが人のために生きたらきっと素晴らしい世の中になるだろう、でも自分の幸せのために生きてみてもいいんだぜ、そんなことが言えてしまうこの芝居を、実は結構好きだと思う。

で、これはどっちの配役もありだなあと。でも私の好み的にはBの伊左次チギ、吉蔵コマです。
と言うか、最初に十手持ち吉蔵が出てきた瞬間「うわあ格好いい!」と思っちゃったんですよ。どういう訳だか。いやどういう訳だかじゃなくて。所作も含めていなぜな色男。
でもまあそれだけではなくて。

最初に見たのはB。チギの伊佐次は何やら思いつめた風情の青年。コマの吉蔵は彼が何か隠していることは承知で、おどけながら、でも何とか彼の真意をわかってやりたいと心を砕く。
Aの方、コマの伊佐次も思いつめた様子は同じなのだけれど、その思いつめ方の深さが半端ない。チギ伊佐次が少年に近い青年なら、コマは大人で、その分悩みと覚悟も深い。対するチギの吉蔵は、伊佐次が下手人でないとわかっていると言うより、信じている。まっすぐに揺るぎなくそんなはずはないと信じ、そう信じている自分自身のことも信じている。

つまり、伊佐次と吉蔵の両方とも、コマがやった役の方が年上に見えるのですね。
そして「思いつめる伊佐次を見守る兄貴分吉蔵」のコマが、どういう訳か私の好みどんぴしゃだったのですよ(苦笑)。
一方の伊佐次はどちらも良かったのですが、敢えて言うならそれまで意地を張って我慢して心を鎧っていた少年がふっと自分を解放する、そういうチギの方が好みと言えば好みかなあと。コマ伊佐次の方が背負っている空気が重いだけに解放のカタルシスも大きく、より深い物語になるのかとも思うのですが、そこは好みの問題で。

あと吉蔵コマはお静さゆちゃんとの絡みが良かった! おてんば娘、いじめっ子と呼び合う二人のやり取りから、実は好き合っているのだけれど幼馴染とは言え大店の跡取り娘と岡っ引き、不釣り合いな恋は互いも周囲も不幸にすると思って何も言わずお互い諦めて、初恋なんてそんなものと割り切っている、でもそれ故に伊佐次とお菊には自分たちの分も幸せになってほしいと思っている、一瞬にしてそんな設定が浮かびました。
同じ台詞同じやり取りなのに、チギさゆでは全然そんな気がしなかったんですよね。不思議なことに。


第三幕『夢のなごり』

なんか、美しい舞台だなあと。
最初の落ち武者ガオリ君の総髪と緋色の鎧も美しかったし、村人の御狐さん装束も暗い森に緋と白が映えて綺麗だった(その森が一幕の杉林じゃんということにうっかり気づいてしまいましたが・笑)。でも平家一門の普段着の袴は妙に細いせいかもっさり見えて良くなかったと思います。そう言えばみんな着替えてるのに主役二人は着たきりだったのか。
もうネタばれは避けなくていいと思うので言ってしまうと、落ち武者一門の集団自決に呆然としました。更にその理由である源氏の襲撃が見間違いであったことにもう一回呆然。八郎の勘違いがすべて悪いんじゃん!と言いたいところですが、雪に翻弄されて白鷺を源氏の白旗と間違えたこと自体が、彼がそして彼らが魔に飲み込まれていたということなのだろうなと。

これもどちらの配役も捨てがたい。と言うか全然別モノ。別モノ過ぎて甲乙つけがたい。

初見は「死ぬる喜び」を得る三郎がチギ、「生きる苦しみ」の四郎がコマでした。
この、最後に白旗が白鷺の見間違いであり皆が死ぬ必要はなかったと悟った四郎が、物凄いことになっていた。
あまりの慙愧と絶望に、壊れてしまっていた。狂った、のかもしれない。生きていく、と歌詞は聞こえるのに、その声が、表情が、そして何より目が言葉を裏切っていた。
彼は責任感ある男だから、この後もひとり若君を守ってどこまでも落ち延びていくのかもしれない。しかしそういう行動をとれたとしても、やはりひととしては壊れてしまったのだ、と思った。

一門の自決を看取り最後に一人死のうとした刹那、逃げ延びたと思った相思相愛の姫君が戻ってくる。自分とともに死ぬために。愛している、と最期にやっとお互い口にして。その悲劇の中の幸福に酔いしれる三郎は、チギコマどちらも美しく、ありでした。
ただ、どちらをやっても基本的にチギは絶望的な状況の中でも未来を信じているようで、コマは根底に陰鬱なものが流れているように見えた、その色合いは違ったなあと。

そして、チギの四郎。彼もまた激しく絶望し悲嘆にくれるのだけれど、狂ってはいなかった。また立ち上がり、若君を守り平家再興を信じ生きていくのだろうと、そう思われた。

その、最後の四郎の違いで見た後の感覚、印象が全然違って。
凄かったのはコマ四郎。でもそこまで凄いのが正しいのかどうかはわからない。
Aパターン(チギ四郎)でフィナーレが始まって、喜劇『愛ふたつ』のセットと衣装でにこにこと出てきたコマとみみちゃんを見たときに「ああよかったなあ」とほっとしたのですが、Bパターンではそのくらいじゃ打ちのめされた気持は浮上しなかったもの(苦笑)。



***


まとめると、暗い・複雑・重いのがコマで、明るい・純粋(単純)・軽いのがチギ、という印象です。でもそれはこの二人を比較した際の話で、別の人と並べば違う印象になるとも思ってます

二人ともきれいで格好いいけど、どちらかと言うとチギは「二枚目」でコマは「色男」かなあと思いました。少なくともこの公演では。
チギがまっすぐに、それこそ雪の結晶のように白または透明にきらきらしているのに対し、コマには「色」が見えた。今回何故かコマの方に重点置いて見てしまったのは、その「色」が面白くて気になっていたからかなあ。
と思っていたら最後幕降りるときにチギが投げキスバシバシ飛ばしてた!1階センターだったので直撃食らった! 君私がそういうの好きなの知ってて!(言いがかり)

とにかく、二人の個性がそれぞれに際立って見ていて面白かったし、どちらも良かったのです。両方見て良かったなあと心から。
別項で他の人たちの感想も少し書く予定です。


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2009/12/09 23:23 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪
雪組『情熱のバルセロナ/RIO DE BRAVO!!』その2
三連休はレザネ、花東宝前楽、雪全ツ名古屋でした。連休明けは遊びすぎが祟ってぼけぼけしてました(駄目人間)。

と言う訳で11/23(月祝)15:30公演@名古屋見てきました。
名古屋楽で組総見、客席も舞台もいい感じにリラックス、かつノリノリで盛り上がってました。超楽しかったです。

『情熱のバルセロナ』は、芝居が落ち着いてきた印象。
脱獄した身でロザリアに会うためにバルセロナに向かうフランシスコのソロ、初見時は、うわあこの何も考えてない無謀さと身勝手さとそれなのに格好いいところがいかにも宝塚の主人公、と口ぽかん状態だったのですが、今回見たら何だか切なくなりました。
愛に生きて愛に死ぬと考えている、それしか考えていない、愚かで単純で純粋な青年。その愚かさは同時に若さの輝きであり驕り。しかし彼は、1週間か10日のうちにそれを失うのだ。愛が全てで愛のために死ぬことを至上の喜びと考えているのに、ままならない思いを抱えて生きることになるのだ。そして今はまだそれを知らない、と思うと。失われることがわかっている若さが切ない。
別れの場面の水みなこは本当に良かったと思います。やっぱりこの二人の芝居好きだ。

『RIO DE BRAVO!!』

前回書きそびれたのですがハマコが素敵です。いやいつも素敵ですが。
中詰チギのところに入ってるんですが、全然違う個性とパンチ力ですごい場面になっていた。「♪セニョリータ見せてやるよ聞かせてやるよ俺達のサンバ」が、ちぎたはイケイケアイドルだったのに、リアルに「年に一度のカーニバル」に命賭けてるラテンオヤジだった。ウィンクとかバシンとキメて超格好良かった!

以下アドリブ。
キャプテンせしるは「ひつまぶしの食べ過ぎには気をつけみゃあ」とかなんとか(名古屋弁聞き取れず)。
観光客水さん「名古屋最高ー!」
みなこママも「今夜はひつまぶしよ」「わーい」。見送るユミコ氏「名古屋は美味しいものがたくさんあっていいね……」その後店員杏奈嬢「名古屋は食べ物だけではねえだがや!(みたいな。名古屋弁再現出来ず)」。そして二人で寝そべって「シャチホコー!」とポーズ。
署長転じて店長は「これ(この頭)じゃ名古屋巻きができない~」。
水さんが中詰客席降りでシャチホコのぬいぐるみをもらっていた。つか私のすぐ近くの席の人があげている瞬間を見た(笑)。一瞬ためらってましたが受け取って、舞台に戻って「シャチホコいただきましたー!」って言ってました。

ご挨拶。一回目はお約束の「宝塚においでください」でしたが、カーテンコールでは「次は皆様……わかってますね?(笑)」みたいな感じになってました。宣伝部長に敬服。



せしるの話をします。私がせしるの話をすると無駄に長いのでたたみます。

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2009/11/24 22:57 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪
雪組『情熱のバルセロナ/RIO DE BRAVO!!』その1
11/15(日)市川ダブルしてきました。楽しかった。
ネタばれは避けた方がいいんだろうか。一応たたみます。



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2009/11/16 23:36 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪
雪組『ロシアン・ブルー/RIO DE BRAVO!!』My楽
前楽がMy楽でした。
いづるん見納め。

今回いづるんいい役でよかったなあ、怖くて格好良くてどこか魔性ででも可愛くて、衣装も似合ってて素敵だったなあ、と見てました。
全然感想書いてないけど『ロシアン』は隅から隅まで役が付いてキャラが立っていて、雪組下級生がもっとわかっていたらもっと楽しかったろうなと。具体的にはネコタナと何とかスキーを全員把握しているくらい。個人的にはしゅうがおりのコンビが好きでした。

前楽のせしリサは、スキースキーの歌のところでせしるがリサリサの顎をクイっと持ち上げてました(キスには至らず)。うわあやっぱりもっと見とけばよかった(笑)。
ちなみに大楽は見ていませんが教えていただきまして、「芝居の最後の別れ際、リサリサに自分の頬をツンツンと指し「キスしろよ」と命令(する振り)、そしてリサリサがキスをする瞬間にすっと顔を傾けて不意打ち唇キッスだったそうです…」とのこと。
うわあ……!(震撼)

出も見ました。
いづるんへの掛け声が「妖しい魅力の男役、凛々しく華やか娘役、幸せ二倍の13年、」と言うようなもので、ずっと見ていた方々の想いが込められているようで、しみじみと見送りました。
卒業する人はいつもみんなきれいで発光していて、さびしいのに見ていると幸せだなあと。

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2009/10/18 23:58 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪
雪組『ロシアン・ブルー』というかせしリサのこと。
せしる茶があまりに楽しかったので観劇回数増やしました。無駄に有言実行。

茶会話を参考にイリインスキーとペギーのなれそめと言うかせしリサをガン見していた訳ですが、何だあのバカップル!(爆)
・出会い。レビュー団が紹介され、ハーイと手を振るペギーにつられて手を振り返し、やべーあの子超可愛いと動揺、グリゴリーに訴えるイリインスキー。
・スキースキーの歌は両手に花状態だけど「君と恋に落ちたいから」とがっつり目を合わせて手にキスするのは対ペギーだけ。
・最後ペアで踊ったあとペギーが「好き」と耳元に囁くのに「ありがとう」と返してるよ!
・「うらやましいね自由の国の人」のとこでどさくさに紛れて視線をあわせる二人。それまで、急な帰国命令で「もうあの人と会えない」と悲しそうだったペギーが、気づいてくれた!という感じですごい嬉しそう。可愛い。
・ラスト。寄り添ってるのは知ってましたがかくれんぼまでは気づいていませんでした。(ふたりで歩いているのにふとセンチメンタルに物想う風情のペギー→それを見てふっと物陰に隠れるイリインスキー→イリインスキーを見失って不安げにきょろきょろするペギー(これが超かわいい)→ここにいるよ、と笑顔で顔を出すイリインスキー→「もう!心配しちゃった」「ばかだなあ」とか言いつつ笑って手を取り合い歩き出すふたり)

糖分過多っていいよね(素)。
舞台の隅とは言え、出会ってくっついて別れ、まで演じるのを見られる機会はなかなかないからなあ、今回本当嬉しい。
つか今までもっと見とけという話なのですが、せしるだけガン見してたから気付けなかったんですよ(苦笑)(ピン撮りしていると、笑っていても誰に笑いかけているのかわからないときあるよね)

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2009/10/06 23:33 | Comments(0) | TrackBack() | 宝塚・雪

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