本日11時がMY楽でした。(明日のラストディ中継も見ますが)
芝居のもりえが今まで見た中で一番良かったです。最後のキレっぷりとか台詞の間とか。友会優先公演なので初見と思しきお客様も多かったせいか、どっかんどっかんウケてました。
ショーではあひが9割方、やわらかな「あひちゃん」顔に見えました。ほのぼのするやらさみしいやら(苦笑)。
結局、11/29,12/2,12/20,12/26と、今日も含めて4回観劇。
初見の11/29(東宝初日の翌日)の時点で既に退団者それぞれみんな退団者オーラが半端なくて眩しくて、組子がみんな「アサコさんサヨナラ公演を盛り上げよう!」と一致団結しているのが感じられて、いい加減な口は挟めないような気持ちになってしまって、なかなか感想を上げられませんでした。
でももう明日で千秋楽なので、書けるだけ書き残しておきます。
とりあえず芝居の話ですが、長くてうざいので畳みます。
芝居のもりえが今まで見た中で一番良かったです。最後のキレっぷりとか台詞の間とか。友会優先公演なので初見と思しきお客様も多かったせいか、どっかんどっかんウケてました。
ショーではあひが9割方、やわらかな「あひちゃん」顔に見えました。ほのぼのするやらさみしいやら(苦笑)。
結局、11/29,12/2,12/20,12/26と、今日も含めて4回観劇。
初見の11/29(東宝初日の翌日)の時点で既に退団者それぞれみんな退団者オーラが半端なくて眩しくて、組子がみんな「アサコさんサヨナラ公演を盛り上げよう!」と一致団結しているのが感じられて、いい加減な口は挟めないような気持ちになってしまって、なかなか感想を上げられませんでした。
でももう明日で千秋楽なので、書けるだけ書き残しておきます。
とりあえず芝居の話ですが、長くてうざいので畳みます。
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またちょっと西に行ってきました。
12/12(土) 青蓮院門跡青不動明王拝観、若冲ワンダーランド@MIHO MUSEUM
12/13(日) 雪全ツ12時観劇
遠征と言うか、観劇メインではないので一応旅行?(笑)道中の様子は多少ツイッターで呟いております。
まずは取り急ぎ雪全ツの話。本日My楽にして前楽。
流石大阪梅田!ある意味宝塚のご当地(いや隣の県だけど)。ポンポン率のみならずペンライト率が高くて、客席がきれい。雪景色メンバーが来ていて盛り上がりました。2階席後方だったのでよくは見えませんでしたが、ショーの前に気合い入れてポンポン準備している雰囲気が可愛かった(笑)。
『情熱のバルセロナ』
一番印象が強かったのはリンダ。大芝居になり、迫力を増し存在感を増し、年齢設定も上がっているように見えた。正に宮廷第一の貴婦人。前半の娘らしさを残したような造型も好きだったのだけれど、やはりこれが完成形なのかなと。宮廷の大物であり大人の女である色が濃くなった分、年下のフランシスコの心が若い娘ロザリアに向けられている切なさやり切れなさ、複雑さが際立った気がします。
あとこれは今まで私が見えていなかっただけかもしれませんが、最後のフランシスコの表情がこんなだったかなあと。
前回11/23名古屋で見たときは、その前の捕らわれたとき、そして死刑を言い渡された時の愛に生き愛に死ぬ喜びの表情の方が印象強くて、それが叶わない、そんな風に生きることの罪を悟ってしまう未来が苦しいなあと思って見ていたのです。
が、今日、最後幕切れの顔を見て。苦しいだけじゃない、思いのまま生きられない苦しみだけじゃない、前向きな意志のようなものが感じられて。
幕間に会った友人が「(色々あったけど大人になって)いい男になると思う」と言った言葉に、素直に頷けた、そんな顔に見えました。
市川初見時は、水さんにこんな若気の至りみたいな役、と思ったけれど、こうなって見るとやはり水さんならではのフランシスコだったのだなあ、と思います。その、大人になること、と、それでも失わない前向きさが。
それに対するみなこのロザリアも、最初の「天使のような」少女から、愛のために父親を裏切り罪を犯し、その罪を悔いながら「あなたのいない平穏な生活なんて!」と叫ぶ、複雑な大人の女性になっている。こちらも回を重ねるごとに芝居が深まって、と言うか、わかりやすく見えるようになってきたなあ、と思いました。いやほんと良かったと思います、みなこ。
あ、偽装結婚式のファノ&モニカ、昨日はせしるがきゃびいの鼻の頭をつんつんしていたと聞いて楽しみにしていたのですが、今日はやってくれませんでした。残念!
『RIO DE BRAVO!!』
これはもう楽しかった!
雪景色組一行が大盛り上がりで、出演者の方も皆アピールしてました。水さんはガロの客席降りで帽子渡したらそのまま回覧されそうになって、慌てて取り返してましたよ(笑)。
せしる機長(すっかり安心して見られるようになったなあ)、アナウンスは最初から関西弁。地で行けるもんね。最後は「ほんでもって、通天閣でのはしゃぎすぎには気を付けんとあきまへんで」みたいな感じで締めてました。
みなこママのアドリブは「クリスマスプレゼントは何がいい?」。オヅキは真顔で「リンダ・メレンデス侯爵夫人が欲しい」。その言葉にまあ!となるかおりちゃん。
みなこが言い返そうとするも「芝居を引き…」で噛みまくって続きが言えず。オヅキはそんなみなこを袖に引っ張って撤収。ユミコ氏が「芝居を引きずるなって言いたかったんだね」と引き取ってました。「そ れでは私も」と「リンダ!」と呼び掛けたものの、いつも通り振られるユミコジュリー。
署長改め店長のアドリブは「私がクリスマスプレゼントよ!」。皆ドン引き(笑)。
サッカーの場面、ここではせしる、ひーこちゃんの鼻の頭をつんつんつついてましたよ! この「俺のカノジョ」感がたまらん(笑)。チギコマ観劇のせいか前楽なせいかいつも以上に張り切ってバシバシ飛び跳ねてた気が。
ご当地出身は6人。下級生を紹介するときによく見えるようにと、みんなが右往左往大移動してガーッと前を開けるのが何とも良かった。いいなあ、雪組さんいい雰囲気だなあと思いました。
と言う訳で、結局3会場4回観劇。楽も見ないの?と聞かれましたが自担組でないので自制しました。いやそこ自制してもって感じですが。
主にせしる目当てではありましたが(苦笑)楽しかった、行って良かったです。
12/12(土) 青蓮院門跡青不動明王拝観、若冲ワンダーランド@MIHO MUSEUM
12/13(日) 雪全ツ12時観劇
遠征と言うか、観劇メインではないので一応旅行?(笑)道中の様子は多少ツイッターで呟いております。
まずは取り急ぎ雪全ツの話。本日My楽にして前楽。
流石大阪梅田!ある意味宝塚のご当地(いや隣の県だけど)。ポンポン率のみならずペンライト率が高くて、客席がきれい。雪景色メンバーが来ていて盛り上がりました。2階席後方だったのでよくは見えませんでしたが、ショーの前に気合い入れてポンポン準備している雰囲気が可愛かった(笑)。
『情熱のバルセロナ』
一番印象が強かったのはリンダ。大芝居になり、迫力を増し存在感を増し、年齢設定も上がっているように見えた。正に宮廷第一の貴婦人。前半の娘らしさを残したような造型も好きだったのだけれど、やはりこれが完成形なのかなと。宮廷の大物であり大人の女である色が濃くなった分、年下のフランシスコの心が若い娘ロザリアに向けられている切なさやり切れなさ、複雑さが際立った気がします。
あとこれは今まで私が見えていなかっただけかもしれませんが、最後のフランシスコの表情がこんなだったかなあと。
前回11/23名古屋で見たときは、その前の捕らわれたとき、そして死刑を言い渡された時の愛に生き愛に死ぬ喜びの表情の方が印象強くて、それが叶わない、そんな風に生きることの罪を悟ってしまう未来が苦しいなあと思って見ていたのです。
が、今日、最後幕切れの顔を見て。苦しいだけじゃない、思いのまま生きられない苦しみだけじゃない、前向きな意志のようなものが感じられて。
幕間に会った友人が「(色々あったけど大人になって)いい男になると思う」と言った言葉に、素直に頷けた、そんな顔に見えました。
市川初見時は、水さんにこんな若気の至りみたいな役、と思ったけれど、こうなって見るとやはり水さんならではのフランシスコだったのだなあ、と思います。その、大人になること、と、それでも失わない前向きさが。
それに対するみなこのロザリアも、最初の「天使のような」少女から、愛のために父親を裏切り罪を犯し、その罪を悔いながら「あなたのいない平穏な生活なんて!」と叫ぶ、複雑な大人の女性になっている。こちらも回を重ねるごとに芝居が深まって、と言うか、わかりやすく見えるようになってきたなあ、と思いました。いやほんと良かったと思います、みなこ。
あ、偽装結婚式のファノ&モニカ、昨日はせしるがきゃびいの鼻の頭をつんつんしていたと聞いて楽しみにしていたのですが、今日はやってくれませんでした。残念!
『RIO DE BRAVO!!』
これはもう楽しかった!
雪景色組一行が大盛り上がりで、出演者の方も皆アピールしてました。水さんはガロの客席降りで帽子渡したらそのまま回覧されそうになって、慌てて取り返してましたよ(笑)。
せしる機長(すっかり安心して見られるようになったなあ)、アナウンスは最初から関西弁。地で行けるもんね。最後は「ほんでもって、通天閣でのはしゃぎすぎには気を付けんとあきまへんで」みたいな感じで締めてました。
みなこママのアドリブは「クリスマスプレゼントは何がいい?」。オヅキは真顔で「リンダ・メレンデス侯爵夫人が欲しい」。その言葉にまあ!となるかおりちゃん。
みなこが言い返そうとするも「芝居を引き…」で噛みまくって続きが言えず。オヅキはそんなみなこを袖に引っ張って撤収。ユミコ氏が「芝居を引きずるなって言いたかったんだね」と引き取ってました。「そ れでは私も」と「リンダ!」と呼び掛けたものの、いつも通り振られるユミコジュリー。
署長改め店長のアドリブは「私がクリスマスプレゼントよ!」。皆ドン引き(笑)。
サッカーの場面、ここではせしる、ひーこちゃんの鼻の頭をつんつんつついてましたよ! この「俺のカノジョ」感がたまらん(笑)。チギコマ観劇のせいか前楽なせいかいつも以上に張り切ってバシバシ飛び跳ねてた気が。
ご当地出身は6人。下級生を紹介するときによく見えるようにと、みんなが右往左往大移動してガーッと前を開けるのが何とも良かった。いいなあ、雪組さんいい雰囲気だなあと思いました。
と言う訳で、結局3会場4回観劇。楽も見ないの?と聞かれましたが自担組でないので自制しました。いやそこ自制してもって感じですが。
主にせしる目当てではありましたが(苦笑)楽しかった、行って良かったです。
チギコマ以外について簡単に。
みみちゃん可愛かった! 一幕の可愛い美人妻お咲、二幕の一途なお嬢さんお菊、三幕の儚くも意志の強い常盤木姫、どれも良かった。ヒロイン役者だなあと。
一番うわあと思ったのは、お咲が小四郎の帰宅に驚いて逃げ出す時の華麗なジャンプです。あれを可愛くはじけられるのはすごい。
さゆちゃんは流石の上手さと存在感、このメンバーでは専科の大物級。
一幕の浪江は、出てきただけで「大店の若奥様キタ!」と思える落ち着きと風格がすごかった。「長屋で評判の美人妻」お咲みみちゃんとの対照がよかったなあ。二幕のお静も評判のおてんば娘、自分の意思を通さずにはいない感じが。どちらも出番は終盤何だけど、さゆちゃんの登場によって話が収まるんだよね。それだけの力があった。三幕の姫の身代わりとなる柚木も良かったです。これからこういう感じで活躍して行ってくれるのかなあ。
汝鳥さんがいてくれると場が締まるというか安心感があるのは言うまでもないことですが、特に一幕の上方落語は汝鳥さんなしでは成り立たなかっただろうなあと。
休演明けのナガさんがお元気そうで安心しました。一幕のお奉行様のしれっとした感じが良かったですわ。
ガオリ君大活躍! 三幕冒頭の落武者は目が利いて美しくソロ歌もあって一瞬にして空気を変える役目を果たしていたし、一幕の伊勢屋の旦那さんも大店の主人らしくはんなりした感じが出ていて良かった。(と関東もんが言っても説得力無いですが)。
そして大凪君。一幕の茶屋のお婆、長い手足を折り曲げての熱演怪演には心おきなく笑わせていただきました。拍手拍手!皺メイクもすごいけど何だか愛嬌があるんだよね。ETに似てる?
二幕三幕ではこの二人はニコイチ状態。二幕の弥次さん喜多さんは本編とは関係ない賑やかしなんだけど(船頭の汝鳥さんも含め)、真面目な弥次さんと助平な喜多さんの迷コンビぶりが楽しかったです。三幕の武士姿も美しかった。
完全に余談ですがこの二人の並びに既視感を覚えて脳内アーカイブを検索したところ、中日『王家』のケペルとメレルカでした(!)(多分あまり伝わらない)。
下級生三人の役替わり、二幕の巳之助は弟キャラでまあ下級生だれがやっても、という印象だったのですが、三幕。八郎の彩風君! 若君の身代わりを務めるべく出てきた瞬間、震撼して涙出そうになった。身代りとなって死ぬことに心からの喜びを感じているその狂気。そうだこの子革命への無垢な狂信が怖かった新公リナレス演った子だ。新公ヘンリーも本役と違ってヤバいキャラになってた子だ。今後もチェックしたいと思います。
三郎が彼を死なせるに際して「八郎、いや有盛様」と呼びかけるところがあって、帆風君のときは有盛様と呼びかけることが八郎の心を慰めるために必要かと思ったけれど、彩風君の方はそんなの要らないと思った。だって彼はもう心から満足して幸福なのだもの。
真那春人君がやる気満々な顔をしているのであちこちで目に付きます。三幕の藤太は彼女と微笑ましく、平家の人々との好対照でちょっとほっとする場面でした。
以上とりあえず。
チギコマ挨拶は割とぐだぐだだったのですが(チギは完全にぐだぐだだけどコマもかなりだった)、それすらも楽しいというか、二人が仲良さそうで(笑)。『フィフティ・フィフティ』のみつめおでも思いましたが、同期でダブル主演て楽しくていいなあと心から思いましたよ。
みみちゃん可愛かった! 一幕の可愛い美人妻お咲、二幕の一途なお嬢さんお菊、三幕の儚くも意志の強い常盤木姫、どれも良かった。ヒロイン役者だなあと。
一番うわあと思ったのは、お咲が小四郎の帰宅に驚いて逃げ出す時の華麗なジャンプです。あれを可愛くはじけられるのはすごい。
さゆちゃんは流石の上手さと存在感、このメンバーでは専科の大物級。
一幕の浪江は、出てきただけで「大店の若奥様キタ!」と思える落ち着きと風格がすごかった。「長屋で評判の美人妻」お咲みみちゃんとの対照がよかったなあ。二幕のお静も評判のおてんば娘、自分の意思を通さずにはいない感じが。どちらも出番は終盤何だけど、さゆちゃんの登場によって話が収まるんだよね。それだけの力があった。三幕の姫の身代わりとなる柚木も良かったです。これからこういう感じで活躍して行ってくれるのかなあ。
汝鳥さんがいてくれると場が締まるというか安心感があるのは言うまでもないことですが、特に一幕の上方落語は汝鳥さんなしでは成り立たなかっただろうなあと。
休演明けのナガさんがお元気そうで安心しました。一幕のお奉行様のしれっとした感じが良かったですわ。
ガオリ君大活躍! 三幕冒頭の落武者は目が利いて美しくソロ歌もあって一瞬にして空気を変える役目を果たしていたし、一幕の伊勢屋の旦那さんも大店の主人らしくはんなりした感じが出ていて良かった。(と関東もんが言っても説得力無いですが)。
そして大凪君。一幕の茶屋のお婆、長い手足を折り曲げての熱演怪演には心おきなく笑わせていただきました。拍手拍手!皺メイクもすごいけど何だか愛嬌があるんだよね。ETに似てる?
二幕三幕ではこの二人はニコイチ状態。二幕の弥次さん喜多さんは本編とは関係ない賑やかしなんだけど(船頭の汝鳥さんも含め)、真面目な弥次さんと助平な喜多さんの迷コンビぶりが楽しかったです。三幕の武士姿も美しかった。
完全に余談ですがこの二人の並びに既視感を覚えて脳内アーカイブを検索したところ、中日『王家』のケペルとメレルカでした(!)(多分あまり伝わらない)。
下級生三人の役替わり、二幕の巳之助は弟キャラでまあ下級生だれがやっても、という印象だったのですが、三幕。八郎の彩風君! 若君の身代わりを務めるべく出てきた瞬間、震撼して涙出そうになった。身代りとなって死ぬことに心からの喜びを感じているその狂気。そうだこの子革命への無垢な狂信が怖かった新公リナレス演った子だ。新公ヘンリーも本役と違ってヤバいキャラになってた子だ。今後もチェックしたいと思います。
三郎が彼を死なせるに際して「八郎、いや有盛様」と呼びかけるところがあって、帆風君のときは有盛様と呼びかけることが八郎の心を慰めるために必要かと思ったけれど、彩風君の方はそんなの要らないと思った。だって彼はもう心から満足して幸福なのだもの。
真那春人君がやる気満々な顔をしているのであちこちで目に付きます。三幕の藤太は彼女と微笑ましく、平家の人々との好対照でちょっとほっとする場面でした。
以上とりあえず。
チギコマ挨拶は割とぐだぐだだったのですが(チギは完全にぐだぐだだけどコマもかなりだった)、それすらも楽しいというか、二人が仲良さそうで(笑)。『フィフティ・フィフティ』のみつめおでも思いましたが、同期でダブル主演て楽しくていいなあと心から思いましたよ。
12/6と8に見ました。役変わりは以下のとおり。
12/6(日)15:00がBパターン、12/8(火)18:30がAパターン。
第一幕『愛ふたつ』
・小四郎(死んだと誤解され妻を寝取られ踏んだり蹴ったりと思いきや最後には逆玉の輿な小間物屋)A:早霧、B:沙央
・三五郎(小四郎の死後かねてから憧れていた彼の妻お咲と夫婦になれてラッキー!な結果として間男)A:沙央、B:早霧
第二幕『花かんざし』
・伊佐次(店の金を盗んで江戸所払いとなった錺職人、だが実は…)A:沙央、B:早霧
・吉蔵(伊佐次の幼馴染の岡っ引き、伊佐次が下手人ではないと思っている)A:早霧、B:沙央
第三幕『夢のなごり』
・三郎忠嗣(平家の落武者、四郎の兄。源氏の襲撃に一門の者たちとともに自決することとなる)A:沙央、B:早霧
・四郎信嗣(平家の落武者、三郎の弟。源氏の襲撃に若君と姫を守って逃げ延びることとなる)A:早霧、B:沙央
主にチギコマ役変わりの感想を中心に。語りたくなりますよねこれ。
第一幕『愛ふたつ』
初見は落語的素養のない現代人しかも関東人として見事に置いて行かれました(笑)。位牌持って泣いてる場面をお笑いにしていいの?とか客に酒も飲ませないで逆に相手を笑い物にするって性格悪いじゃん?とか帰ってきたら自分は死んだことにされて愛しい女房も他人の妻なんて小四郎可哀そうじゃん!とかいちいち引っかかって笑いに乗り遅れた。多分、落語で一人の人が喋っている分には気にならないんじゃないかと思うんですが、舞台で笑う人と笑われる人がいるから駄目なのかもしれません。
まあこれは性分なので仕方ない。
という見地で見れば、Aの小四郎チギ・三五郎コマの方が私的には見やすかったです。小四郎がコマだと、帰ってきて事の次第を知って嘆くところが過剰にシリアスで小四郎に同情してしまったんですよね。チギの方がファンタジー的にあっけらかんと受け止められた。2回目で免疫できていたせいもあるかもしれませんが。
それだけでなく、全体的にAパターンの方が個人的には落ち着くなあと。Bを見た後は逆かと予想していたので自分で驚きました。
初見のB、まず、最初の山中の場面、ほぼ一人芝居状態の小四郎コマが上手くて面白くて、これはチギは大変そうだなあと思っていました。ところがAを見たらチギの全力投球体当たり芝居がすごい面白くて面白くて!むしろBより笑えたという。
逆に三五郎の、米やんに酒を飲ませてやらない場面。前述のとおり笑えはしないものの、Bのチギは天然だから仕方ないよねということでこの程度で済んでるんだろうな、コマが上手く演っちゃったらもっと嫌な感じになるんじゃないかな、と思っていたのです。ところがコマはその辺の塩梅も上手くて、その上手さに乗せられて逆につるっと見られてしまったという。いやこれも2回目で免疫できていたせいもあるかもしれませんが。
一番両者の違いに驚いたのは三五郎の登場。お咲さんへの愛を歌い上げるあれです。Aのコマを見て歌いだした瞬間に驚愕。三五郎があほの子じゃない……!
や、Bのチギ三五郎は全力投球大爆走コミックソングな歌も含めてあほの子で、それが可愛かったじゃないですか! 葬式に手伝いに来たと言っても多分何の役にも立ってなくて、でも一生懸命お咲さんのことを心配してくれて、それがお咲さんの心を動かしたんだろうなって感じだったじゃないですか!
ところがコマはそうじゃなかった。勘違い系だけど一応いい男じゃね?少なくともガストン@美女と野獣並みには二枚目設定のキャラじゃね?と愕然。歌もムード歌謡調でこぶし回してましたが上手くて二の線の範疇だし。つかこんなコマに「あの人の笑顔を取り戻したい」とか歌われたら惚れそうになるじゃないですか!(落ち着け)
と言う訳で両方楽しみつつ第一幕に関しては小四郎チギ三五郎コマ押しというところなのですが、唯一さゆちゃんとの並びに関してはコマの方が似合っていた気もしています。(みみちゃんとはどっちも似合う)
第二幕『花かんざし』
谷先生の好きそうなお涙頂戴芝居にまんまと泣かされちまったぜ、というのが捻くれ者の観劇後第一声だったりしました。いやそれは本音なんだけれども、こういうべったべたな人情話を真正面から真剣にやってしまう谷先生の作風も宝塚歌劇も好きだと思う、それも本音。人の役に立つというのはいいことだ、みんなが人のために生きたらきっと素晴らしい世の中になるだろう、でも自分の幸せのために生きてみてもいいんだぜ、そんなことが言えてしまうこの芝居を、実は結構好きだと思う。
で、これはどっちの配役もありだなあと。でも私の好み的にはBの伊左次チギ、吉蔵コマです。
と言うか、最初に十手持ち吉蔵が出てきた瞬間「うわあ格好いい!」と思っちゃったんですよ。どういう訳だか。いやどういう訳だかじゃなくて。所作も含めていなぜな色男。
でもまあそれだけではなくて。
最初に見たのはB。チギの伊佐次は何やら思いつめた風情の青年。コマの吉蔵は彼が何か隠していることは承知で、おどけながら、でも何とか彼の真意をわかってやりたいと心を砕く。
Aの方、コマの伊佐次も思いつめた様子は同じなのだけれど、その思いつめ方の深さが半端ない。チギ伊佐次が少年に近い青年なら、コマは大人で、その分悩みと覚悟も深い。対するチギの吉蔵は、伊佐次が下手人でないとわかっていると言うより、信じている。まっすぐに揺るぎなくそんなはずはないと信じ、そう信じている自分自身のことも信じている。
つまり、伊佐次と吉蔵の両方とも、コマがやった役の方が年上に見えるのですね。
そして「思いつめる伊佐次を見守る兄貴分吉蔵」のコマが、どういう訳か私の好みどんぴしゃだったのですよ(苦笑)。
一方の伊佐次はどちらも良かったのですが、敢えて言うならそれまで意地を張って我慢して心を鎧っていた少年がふっと自分を解放する、そういうチギの方が好みと言えば好みかなあと。コマ伊佐次の方が背負っている空気が重いだけに解放のカタルシスも大きく、より深い物語になるのかとも思うのですが、そこは好みの問題で。
あと吉蔵コマはお静さゆちゃんとの絡みが良かった! おてんば娘、いじめっ子と呼び合う二人のやり取りから、実は好き合っているのだけれど幼馴染とは言え大店の跡取り娘と岡っ引き、不釣り合いな恋は互いも周囲も不幸にすると思って何も言わずお互い諦めて、初恋なんてそんなものと割り切っている、でもそれ故に伊佐次とお菊には自分たちの分も幸せになってほしいと思っている、一瞬にしてそんな設定が浮かびました。
同じ台詞同じやり取りなのに、チギさゆでは全然そんな気がしなかったんですよね。不思議なことに。
第三幕『夢のなごり』
なんか、美しい舞台だなあと。
最初の落ち武者ガオリ君の総髪と緋色の鎧も美しかったし、村人の御狐さん装束も暗い森に緋と白が映えて綺麗だった(その森が一幕の杉林じゃんということにうっかり気づいてしまいましたが・笑)。でも平家一門の普段着の袴は妙に細いせいかもっさり見えて良くなかったと思います。そう言えばみんな着替えてるのに主役二人は着たきりだったのか。
もうネタばれは避けなくていいと思うので言ってしまうと、落ち武者一門の集団自決に呆然としました。更にその理由である源氏の襲撃が見間違いであったことにもう一回呆然。八郎の勘違いがすべて悪いんじゃん!と言いたいところですが、雪に翻弄されて白鷺を源氏の白旗と間違えたこと自体が、彼がそして彼らが魔に飲み込まれていたということなのだろうなと。
これもどちらの配役も捨てがたい。と言うか全然別モノ。別モノ過ぎて甲乙つけがたい。
初見は「死ぬる喜び」を得る三郎がチギ、「生きる苦しみ」の四郎がコマでした。
この、最後に白旗が白鷺の見間違いであり皆が死ぬ必要はなかったと悟った四郎が、物凄いことになっていた。
あまりの慙愧と絶望に、壊れてしまっていた。狂った、のかもしれない。生きていく、と歌詞は聞こえるのに、その声が、表情が、そして何より目が言葉を裏切っていた。
彼は責任感ある男だから、この後もひとり若君を守ってどこまでも落ち延びていくのかもしれない。しかしそういう行動をとれたとしても、やはりひととしては壊れてしまったのだ、と思った。
一門の自決を看取り最後に一人死のうとした刹那、逃げ延びたと思った相思相愛の姫君が戻ってくる。自分とともに死ぬために。愛している、と最期にやっとお互い口にして。その悲劇の中の幸福に酔いしれる三郎は、チギコマどちらも美しく、ありでした。
ただ、どちらをやっても基本的にチギは絶望的な状況の中でも未来を信じているようで、コマは根底に陰鬱なものが流れているように見えた、その色合いは違ったなあと。
そして、チギの四郎。彼もまた激しく絶望し悲嘆にくれるのだけれど、狂ってはいなかった。また立ち上がり、若君を守り平家再興を信じ生きていくのだろうと、そう思われた。
その、最後の四郎の違いで見た後の感覚、印象が全然違って。
凄かったのはコマ四郎。でもそこまで凄いのが正しいのかどうかはわからない。
Aパターン(チギ四郎)でフィナーレが始まって、喜劇『愛ふたつ』のセットと衣装でにこにこと出てきたコマとみみちゃんを見たときに「ああよかったなあ」とほっとしたのですが、Bパターンではそのくらいじゃ打ちのめされた気持は浮上しなかったもの(苦笑)。
***
まとめると、暗い・複雑・重いのがコマで、明るい・純粋(単純)・軽いのがチギ、という印象です。でもそれはこの二人を比較した際の話で、別の人と並べば違う印象になるとも思ってます
二人ともきれいで格好いいけど、どちらかと言うとチギは「二枚目」でコマは「色男」かなあと思いました。少なくともこの公演では。
チギがまっすぐに、それこそ雪の結晶のように白または透明にきらきらしているのに対し、コマには「色」が見えた。今回何故かコマの方に重点置いて見てしまったのは、その「色」が面白くて気になっていたからかなあ。
と思っていたら最後幕降りるときにチギが投げキスバシバシ飛ばしてた!1階センターだったので直撃食らった! 君私がそういうの好きなの知ってて!(言いがかり)
とにかく、二人の個性がそれぞれに際立って見ていて面白かったし、どちらも良かったのです。両方見て良かったなあと心から。
別項で他の人たちの感想も少し書く予定です。
12/6(日)15:00がBパターン、12/8(火)18:30がAパターン。
第一幕『愛ふたつ』
・小四郎(死んだと誤解され妻を寝取られ踏んだり蹴ったりと思いきや最後には逆玉の輿な小間物屋)A:早霧、B:沙央
・三五郎(小四郎の死後かねてから憧れていた彼の妻お咲と夫婦になれてラッキー!な結果として間男)A:沙央、B:早霧
第二幕『花かんざし』
・伊佐次(店の金を盗んで江戸所払いとなった錺職人、だが実は…)A:沙央、B:早霧
・吉蔵(伊佐次の幼馴染の岡っ引き、伊佐次が下手人ではないと思っている)A:早霧、B:沙央
第三幕『夢のなごり』
・三郎忠嗣(平家の落武者、四郎の兄。源氏の襲撃に一門の者たちとともに自決することとなる)A:沙央、B:早霧
・四郎信嗣(平家の落武者、三郎の弟。源氏の襲撃に若君と姫を守って逃げ延びることとなる)A:早霧、B:沙央
主にチギコマ役変わりの感想を中心に。語りたくなりますよねこれ。
第一幕『愛ふたつ』
初見は落語的素養のない現代人しかも関東人として見事に置いて行かれました(笑)。位牌持って泣いてる場面をお笑いにしていいの?とか客に酒も飲ませないで逆に相手を笑い物にするって性格悪いじゃん?とか帰ってきたら自分は死んだことにされて愛しい女房も他人の妻なんて小四郎可哀そうじゃん!とかいちいち引っかかって笑いに乗り遅れた。多分、落語で一人の人が喋っている分には気にならないんじゃないかと思うんですが、舞台で笑う人と笑われる人がいるから駄目なのかもしれません。
まあこれは性分なので仕方ない。
という見地で見れば、Aの小四郎チギ・三五郎コマの方が私的には見やすかったです。小四郎がコマだと、帰ってきて事の次第を知って嘆くところが過剰にシリアスで小四郎に同情してしまったんですよね。チギの方がファンタジー的にあっけらかんと受け止められた。2回目で免疫できていたせいもあるかもしれませんが。
それだけでなく、全体的にAパターンの方が個人的には落ち着くなあと。Bを見た後は逆かと予想していたので自分で驚きました。
初見のB、まず、最初の山中の場面、ほぼ一人芝居状態の小四郎コマが上手くて面白くて、これはチギは大変そうだなあと思っていました。ところがAを見たらチギの全力投球体当たり芝居がすごい面白くて面白くて!むしろBより笑えたという。
逆に三五郎の、米やんに酒を飲ませてやらない場面。前述のとおり笑えはしないものの、Bのチギは天然だから仕方ないよねということでこの程度で済んでるんだろうな、コマが上手く演っちゃったらもっと嫌な感じになるんじゃないかな、と思っていたのです。ところがコマはその辺の塩梅も上手くて、その上手さに乗せられて逆につるっと見られてしまったという。いやこれも2回目で免疫できていたせいもあるかもしれませんが。
一番両者の違いに驚いたのは三五郎の登場。お咲さんへの愛を歌い上げるあれです。Aのコマを見て歌いだした瞬間に驚愕。三五郎があほの子じゃない……!
や、Bのチギ三五郎は全力投球大爆走コミックソングな歌も含めてあほの子で、それが可愛かったじゃないですか! 葬式に手伝いに来たと言っても多分何の役にも立ってなくて、でも一生懸命お咲さんのことを心配してくれて、それがお咲さんの心を動かしたんだろうなって感じだったじゃないですか!
ところがコマはそうじゃなかった。勘違い系だけど一応いい男じゃね?少なくともガストン@美女と野獣並みには二枚目設定のキャラじゃね?と愕然。歌もムード歌謡調でこぶし回してましたが上手くて二の線の範疇だし。つかこんなコマに「あの人の笑顔を取り戻したい」とか歌われたら惚れそうになるじゃないですか!(落ち着け)
と言う訳で両方楽しみつつ第一幕に関しては小四郎チギ三五郎コマ押しというところなのですが、唯一さゆちゃんとの並びに関してはコマの方が似合っていた気もしています。(みみちゃんとはどっちも似合う)
第二幕『花かんざし』
谷先生の好きそうなお涙頂戴芝居にまんまと泣かされちまったぜ、というのが捻くれ者の観劇後第一声だったりしました。いやそれは本音なんだけれども、こういうべったべたな人情話を真正面から真剣にやってしまう谷先生の作風も宝塚歌劇も好きだと思う、それも本音。人の役に立つというのはいいことだ、みんなが人のために生きたらきっと素晴らしい世の中になるだろう、でも自分の幸せのために生きてみてもいいんだぜ、そんなことが言えてしまうこの芝居を、実は結構好きだと思う。
で、これはどっちの配役もありだなあと。でも私の好み的にはBの伊左次チギ、吉蔵コマです。
と言うか、最初に十手持ち吉蔵が出てきた瞬間「うわあ格好いい!」と思っちゃったんですよ。どういう訳だか。いやどういう訳だかじゃなくて。所作も含めていなぜな色男。
でもまあそれだけではなくて。
最初に見たのはB。チギの伊佐次は何やら思いつめた風情の青年。コマの吉蔵は彼が何か隠していることは承知で、おどけながら、でも何とか彼の真意をわかってやりたいと心を砕く。
Aの方、コマの伊佐次も思いつめた様子は同じなのだけれど、その思いつめ方の深さが半端ない。チギ伊佐次が少年に近い青年なら、コマは大人で、その分悩みと覚悟も深い。対するチギの吉蔵は、伊佐次が下手人でないとわかっていると言うより、信じている。まっすぐに揺るぎなくそんなはずはないと信じ、そう信じている自分自身のことも信じている。
つまり、伊佐次と吉蔵の両方とも、コマがやった役の方が年上に見えるのですね。
そして「思いつめる伊佐次を見守る兄貴分吉蔵」のコマが、どういう訳か私の好みどんぴしゃだったのですよ(苦笑)。
一方の伊佐次はどちらも良かったのですが、敢えて言うならそれまで意地を張って我慢して心を鎧っていた少年がふっと自分を解放する、そういうチギの方が好みと言えば好みかなあと。コマ伊佐次の方が背負っている空気が重いだけに解放のカタルシスも大きく、より深い物語になるのかとも思うのですが、そこは好みの問題で。
あと吉蔵コマはお静さゆちゃんとの絡みが良かった! おてんば娘、いじめっ子と呼び合う二人のやり取りから、実は好き合っているのだけれど幼馴染とは言え大店の跡取り娘と岡っ引き、不釣り合いな恋は互いも周囲も不幸にすると思って何も言わずお互い諦めて、初恋なんてそんなものと割り切っている、でもそれ故に伊佐次とお菊には自分たちの分も幸せになってほしいと思っている、一瞬にしてそんな設定が浮かびました。
同じ台詞同じやり取りなのに、チギさゆでは全然そんな気がしなかったんですよね。不思議なことに。
第三幕『夢のなごり』
なんか、美しい舞台だなあと。
最初の落ち武者ガオリ君の総髪と緋色の鎧も美しかったし、村人の御狐さん装束も暗い森に緋と白が映えて綺麗だった(その森が一幕の杉林じゃんということにうっかり気づいてしまいましたが・笑)。でも平家一門の普段着の袴は妙に細いせいかもっさり見えて良くなかったと思います。そう言えばみんな着替えてるのに主役二人は着たきりだったのか。
もうネタばれは避けなくていいと思うので言ってしまうと、落ち武者一門の集団自決に呆然としました。更にその理由である源氏の襲撃が見間違いであったことにもう一回呆然。八郎の勘違いがすべて悪いんじゃん!と言いたいところですが、雪に翻弄されて白鷺を源氏の白旗と間違えたこと自体が、彼がそして彼らが魔に飲み込まれていたということなのだろうなと。
これもどちらの配役も捨てがたい。と言うか全然別モノ。別モノ過ぎて甲乙つけがたい。
初見は「死ぬる喜び」を得る三郎がチギ、「生きる苦しみ」の四郎がコマでした。
この、最後に白旗が白鷺の見間違いであり皆が死ぬ必要はなかったと悟った四郎が、物凄いことになっていた。
あまりの慙愧と絶望に、壊れてしまっていた。狂った、のかもしれない。生きていく、と歌詞は聞こえるのに、その声が、表情が、そして何より目が言葉を裏切っていた。
彼は責任感ある男だから、この後もひとり若君を守ってどこまでも落ち延びていくのかもしれない。しかしそういう行動をとれたとしても、やはりひととしては壊れてしまったのだ、と思った。
一門の自決を看取り最後に一人死のうとした刹那、逃げ延びたと思った相思相愛の姫君が戻ってくる。自分とともに死ぬために。愛している、と最期にやっとお互い口にして。その悲劇の中の幸福に酔いしれる三郎は、チギコマどちらも美しく、ありでした。
ただ、どちらをやっても基本的にチギは絶望的な状況の中でも未来を信じているようで、コマは根底に陰鬱なものが流れているように見えた、その色合いは違ったなあと。
そして、チギの四郎。彼もまた激しく絶望し悲嘆にくれるのだけれど、狂ってはいなかった。また立ち上がり、若君を守り平家再興を信じ生きていくのだろうと、そう思われた。
その、最後の四郎の違いで見た後の感覚、印象が全然違って。
凄かったのはコマ四郎。でもそこまで凄いのが正しいのかどうかはわからない。
Aパターン(チギ四郎)でフィナーレが始まって、喜劇『愛ふたつ』のセットと衣装でにこにこと出てきたコマとみみちゃんを見たときに「ああよかったなあ」とほっとしたのですが、Bパターンではそのくらいじゃ打ちのめされた気持は浮上しなかったもの(苦笑)。
***
まとめると、暗い・複雑・重いのがコマで、明るい・純粋(単純)・軽いのがチギ、という印象です。でもそれはこの二人を比較した際の話で、別の人と並べば違う印象になるとも思ってます
二人ともきれいで格好いいけど、どちらかと言うとチギは「二枚目」でコマは「色男」かなあと思いました。少なくともこの公演では。
チギがまっすぐに、それこそ雪の結晶のように白または透明にきらきらしているのに対し、コマには「色」が見えた。今回何故かコマの方に重点置いて見てしまったのは、その「色」が面白くて気になっていたからかなあ。
と思っていたら最後幕降りるときにチギが投げキスバシバシ飛ばしてた!1階センターだったので直撃食らった! 君私がそういうの好きなの知ってて!(言いがかり)
とにかく、二人の個性がそれぞれに際立って見ていて面白かったし、どちらも良かったのです。両方見て良かったなあと心から。
別項で他の人たちの感想も少し書く予定です。
既に花組公演は終わり、次の月組さんが始まってしまったどころか既に見てきている訳ですが、今更ながらに書き残しておきます。
(月組さん良かった! 退団者見てるだけでも私にとっては情報量が多くて整理出来ていないのでその話はまた今度)
この間に、彩音ちゃんの退団発表がありました。
『EXCITER』のプロローグの〆の銀橋、一人で舞台と客席を統べる姿を見て、立派になったなあと思ってたんだよなあ。『ラブシンフォニー』中詰の銀橋で同じようにセンターにいたときに、まだまだ大変そうだった姿を思い出して。
記者会見の写真を見て、何故か一番最初に飾られていた花が目に留まりました。ピンクと白の、可愛らしく華やかで清楚な、娘役らしい花。
と言う訳で感想メモ。
『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-』
宙中日を見ていたのでわかってはいましたが、いや大変だなあと(苦笑)。
第一に、『ベルばら』と言うタイトルで一見さんが来ることが予想されるのに、知っていること前提のこの構成と言うかエピソード選択と配置はまずいだろうと。池田理代子原案とアナウンスを聞くたびに首を捻っていたのですが、そうかコミックスの空いた所に外伝としてアンドレを慕っていた幼馴染の娘の話があるとしたらそれは有りで、そういうつもりで外伝原案なのかと気付きました。でもだからやっぱりそれはコミックス全巻読む人向けなんだなあと。
更に今回プロローグもなかったので。とりあえずドレスと宮廷服のプロローグを派手にかまして世界に引き込むこともできず、田園風景の方言芝居で観客を戸惑わせてるし。でもその分今宵一夜(途中までだけど)がある方が改善と言えるんだろうか。と真面目に考えるのも空しいですが。
あちこち破綻している中でも個人的にどうにもしんどかったのはマロングラッセの描かれ方で。多分歌舞伎とかによくある「我が子よりも主家の子が大事」の悲哀(私が思い出したのは『伽羅先代萩』)を描きたかったんだろうと思うけれど、それにはまず自分の子(孫)が可愛いという前提を描かないと悲哀じゃなくてただ気味が悪いよなあ。と思っていたのですが、アンドレの失明を知った時の泣きながら「辛抱しておくれ」と言うのがそれだったのかもしれないと皆の熱演も極まった前楽にしてMy楽で初めて気づきました。いやわからないよそれじゃ(苦笑)。
あともうひとつしんどいのがアンドレがオスカルの転属をブイエ将軍に願い出るくだりです。それ全然オスカルのことを理解していないってことじゃないですか(口ぽかん)。せめて「オスカルの意思に背いても憎まれてもいい、命だけは守りたい」と言ってくれれば、わかった上でやっているのだという描き方をしてくれればなあ。
とは言え場面場面では演者のパッションに持って行かれました。ベルばらはいつもそうなんですが。私が花担でまとぶんファンだったら10回くらい通った結果脳内補完して消化できると思います(真顔)。酒場、衛兵隊、そして革命と、組子が大勢舞台に出て(単なる書割でなく)それぞれの役を生きて芝居している場面があってしかも熱演しているので、それは良かったなあと。
組担の皆様は大変だったと思いますが、トップ3(真飛壮愛音)が植田芝居への親和性と言うか適応力が高いので、今後も回ってきそうな予感もします。少し前までは雪組と星組が植爺的に自分の作品を託せる組だったんじゃないかと思いますが、今は花組と雪組なんじゃないかと。
まとぶんは愛情を持って人に接する芝居がすごくいいと常々思っているし今回もすごく素敵だったので(みわカル泥酔のくだりとか愛情あふれる呼びかけにもうどうしようかと)、そういう良さが活かされる魅力的な役と作品に当たるといいなあと切に願います。『相棒』は多分違うよね……。
みわカルが良かったです。特に可愛いところ(酔い潰れちゃうあたり)がナチュラルに可愛かったのは伊達に女役経験豊富じゃない。
あと個人的にベテラン男役の女役が予想外に素敵で楽しかったです。どういう趣味してるんだと言われそうですが(苦笑)。はっちさんのシモーヌ女将が超恐くなりそうと予想していたら(失礼)普通にいい女だったのと、さおたさんのカロンヌ夫人がキャリアウーマン風きりっとして格好いい女性だったのにびっくりでした。いやほんとにどういう趣味してるんだと言われそうですが(2回言った)。
それにしても呆れたのは自分どれだけ去年の星全ツ見てたんだということです。アンドレの台詞に脳内副音声でしぃちゃんの声が聞こえてきたのは想定内(…)として、革命場面の市民の衣裳に「あ、しーらん」「あ、ちーくん」といちいち反応するのはいかがなものかと自嘲。見てそう判断するのではなくて、無意識に反応してハッとしちゃうあたり病膏肓だと思いました。あれはまだ一年前のことなんだなあ。
何だか力尽きたのでショーは別項で。と言いつつ今更すぎて書かないかもしれないです。
(月組さん良かった! 退団者見てるだけでも私にとっては情報量が多くて整理出来ていないのでその話はまた今度)
この間に、彩音ちゃんの退団発表がありました。
『EXCITER』のプロローグの〆の銀橋、一人で舞台と客席を統べる姿を見て、立派になったなあと思ってたんだよなあ。『ラブシンフォニー』中詰の銀橋で同じようにセンターにいたときに、まだまだ大変そうだった姿を思い出して。
記者会見の写真を見て、何故か一番最初に飾られていた花が目に留まりました。ピンクと白の、可愛らしく華やかで清楚な、娘役らしい花。
と言う訳で感想メモ。
『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-』
宙中日を見ていたのでわかってはいましたが、いや大変だなあと(苦笑)。
第一に、『ベルばら』と言うタイトルで一見さんが来ることが予想されるのに、知っていること前提のこの構成と言うかエピソード選択と配置はまずいだろうと。池田理代子原案とアナウンスを聞くたびに首を捻っていたのですが、そうかコミックスの空いた所に外伝としてアンドレを慕っていた幼馴染の娘の話があるとしたらそれは有りで、そういうつもりで外伝原案なのかと気付きました。でもだからやっぱりそれはコミックス全巻読む人向けなんだなあと。
更に今回プロローグもなかったので。とりあえずドレスと宮廷服のプロローグを派手にかまして世界に引き込むこともできず、田園風景の方言芝居で観客を戸惑わせてるし。でもその分今宵一夜(途中までだけど)がある方が改善と言えるんだろうか。と真面目に考えるのも空しいですが。
あちこち破綻している中でも個人的にどうにもしんどかったのはマロングラッセの描かれ方で。多分歌舞伎とかによくある「我が子よりも主家の子が大事」の悲哀(私が思い出したのは『伽羅先代萩』)を描きたかったんだろうと思うけれど、それにはまず自分の子(孫)が可愛いという前提を描かないと悲哀じゃなくてただ気味が悪いよなあ。と思っていたのですが、アンドレの失明を知った時の泣きながら「辛抱しておくれ」と言うのがそれだったのかもしれないと皆の熱演も極まった前楽にしてMy楽で初めて気づきました。いやわからないよそれじゃ(苦笑)。
あともうひとつしんどいのがアンドレがオスカルの転属をブイエ将軍に願い出るくだりです。それ全然オスカルのことを理解していないってことじゃないですか(口ぽかん)。せめて「オスカルの意思に背いても憎まれてもいい、命だけは守りたい」と言ってくれれば、わかった上でやっているのだという描き方をしてくれればなあ。
とは言え場面場面では演者のパッションに持って行かれました。ベルばらはいつもそうなんですが。私が花担でまとぶんファンだったら10回くらい通った結果脳内補完して消化できると思います(真顔)。酒場、衛兵隊、そして革命と、組子が大勢舞台に出て(単なる書割でなく)それぞれの役を生きて芝居している場面があってしかも熱演しているので、それは良かったなあと。
組担の皆様は大変だったと思いますが、トップ3(真飛壮愛音)が植田芝居への親和性と言うか適応力が高いので、今後も回ってきそうな予感もします。少し前までは雪組と星組が植爺的に自分の作品を託せる組だったんじゃないかと思いますが、今は花組と雪組なんじゃないかと。
まとぶんは愛情を持って人に接する芝居がすごくいいと常々思っているし今回もすごく素敵だったので(みわカル泥酔のくだりとか愛情あふれる呼びかけにもうどうしようかと)、そういう良さが活かされる魅力的な役と作品に当たるといいなあと切に願います。『相棒』は多分違うよね……。
みわカルが良かったです。特に可愛いところ(酔い潰れちゃうあたり)がナチュラルに可愛かったのは伊達に女役経験豊富じゃない。
あと個人的にベテラン男役の女役が予想外に素敵で楽しかったです。どういう趣味してるんだと言われそうですが(苦笑)。はっちさんのシモーヌ女将が超恐くなりそうと予想していたら(失礼)普通にいい女だったのと、さおたさんのカロンヌ夫人がキャリアウーマン風きりっとして格好いい女性だったのにびっくりでした。いやほんとにどういう趣味してるんだと言われそうですが(2回言った)。
それにしても呆れたのは自分どれだけ去年の星全ツ見てたんだということです。アンドレの台詞に脳内副音声でしぃちゃんの声が聞こえてきたのは想定内(…)として、革命場面の市民の衣裳に「あ、しーらん」「あ、ちーくん」といちいち反応するのはいかがなものかと自嘲。見てそう判断するのではなくて、無意識に反応してハッとしちゃうあたり病膏肓だと思いました。あれはまだ一年前のことなんだなあ。
何だか力尽きたのでショーは別項で。と言いつつ今更すぎて書かないかもしれないです。